探偵事務所・興信所の求人・アルバイトについて

仕事

インターネットで「探偵」の求人サイトやアルバイトを募集している探偵事務所のウェブサイトを目にすることがあります。

ちなみに当社では現在、求人募集はしておらず、また「アルバイト」については一度も募集をしたことはありません。

探偵事務所で働く人の求人についてはその時の状況によりますので、必要なら当社でも今後行うことはあるでしょう。

しかし、探偵・興信所の業務内容を考えると、探偵のバイトを募集して働いてもらう必要性を感じることはほぼないに等しいです。

実はこの「探偵のバイト」については、少々疑問を感じてしまうことがあります。

それは下記の理由によります。

1.アルバイトに任せられる仕事がない

探偵の仕事内容を考えると、大きく分けると2つに分類されます。

相談員

1つは「相談員」です。依頼者からの相談対応、調査の提案、契約事務、依頼者との連絡等が仕事となります。

これは依頼者と直接関わる仕事であり、依頼者の悩みや困ったこと、トラブルの内容を聞いたうえで調査の提案を行ったりします。

アルバイトの方の経験にもよりますが、様々な依頼者の相談に対して適切な対応やアドバイスをするには広範な知識や経験が必要となります。

探偵業務の視点においても、相談内容を聞いたうえで実際に依頼者が納得する調査の提案をするということは決して容易なことではないです。

調査員

もう1つは「調査員」です。浮気調査や素行調査などでの尾行・張り込み・撮影、情報収集調査における聞き込み、調査報告書の作成などを行います。

依頼者との契約金額は調査員の人数が関係しており、基本的には2名で契約します。

プロの調査員は尾行・張り込みの技術を学び経験も積んでいますが、アルバイトの方に最初から仕事としての尾行・張り込みの経験があるなどというのは極めて稀なケースでしょう。

2名のうちの1名が経験不足で技術も学んでいないアルバイトでは仕事の質に大きな違いが出てしまいます。

100%プロの仕事のはずが「50%」になるということです。

調査料金を支払う依頼者が実際にそれを知った場合、とても納得することはできないでしょう。

探偵の仕事はマニュアルではできない

上記2つはいずれも探偵事務所や興信所を営業する上での根幹となる重要な仕事です。

当社としては、アルバイトのように「マニュアル」を用意すれば御依頼者からの相談や依頼に対応できるとは思っておりません。

見習いや新人探偵として入社するならともかく、それらをアルバイトの立場の人に任せることはできない、と考えております。

2.バイトではなく他社のヘルプや下請け探偵に頼める

どうしても人手が足りない時は他の探偵事務所や興信所からのヘルプや下請け探偵に頼むというケースがあります。

それぞれの探偵事務所・興信所にもよりますが、業界には横のつながりもありますし、フリーで活動する探偵もいます。

御依頼者からすると、依頼に他社が絡むのは?という疑問もあるかもしれませんが、他社や下請けの探偵はアルバイトとは違ってプロであり、もちろん探偵業法の守秘義務はこれらのヘルプや下請け探偵のケースにも適用されます。

業務・守秘義務の両面でアルバイトより信頼できる存在であるのは間違いなく、プロを差し置いてあえてバイトを雇わなければならない理由は何もないのです。

調査現場をバイトに任せたりする探偵事務所があるとすれば、の話ですが、考えられるのは「人件費の削減」であり、むしろこういった理由で仕事をプロではないアルバイトに任せたりしているのは問題だと思います。

3.そもそも探偵とバイトは相性が良くない?

パッと思いつくバイトのメリットとは「自分の都合に合わせた時間に働ける」ことではないでしょうか。

仮に調査員として尾行のアルバイトをしたとします。

そうすると働く時間は「依頼者が希望する時間」となり、早朝や深夜になったり、終わる時間もいつになるかわからない場合があります。

これは一般的なアルバイトのイメージとは全く違うと思います。バイトとして働くことの一番のメリットが生かせません。