探偵と資格
調査依頼で活動、探偵社に実在する探偵
探偵というと推理小説の世界にしか存在しないというイメージがありますが、実際には探偵社という業者が存在していて、興信所と呼ばれるところも対象者を調査して何らかの事実を洗い出すことからもちろん探偵に含まれます。
推理小説ではカッコよく見える探偵も、実際に現実の世界にいるとなるとどんな人なのだろうかという好奇心と、どこか実態が見えにくい感じもする人が多いのではないでしょうか。
日本の探偵とアメリカの探偵の資格
アメリカは探偵業という仕事をするにあたって、探偵であると名乗るためには「資格」が必要です。
探偵であることをおおっぴらに公言するのは考えにくいものの、探偵資格というものが存在することにアメリカという国のすごさを感じます。
その点、日本では探偵業という仕事が認められているにもかかわらず、探偵になるのに特別な資格は設けられていません。国家資格はもちろん、民間資格も同様です。
考えてみれば、たいていの人はなぜ探偵に資格が必要なのかといぶかしく思うでしょう。
実際には、例えば得体の知れない悪人が探偵になるのを排除するために資格も必要ではないか?などの議論があるのですが、現状では法律で探偵業は認めつつも特に資格取得は必要ないという状況です。
探偵に必要なものは何か
探偵の仕事はいかに調査対象者に気づかれずに依頼者から頼まれた証拠を集めるかですが、勉強をして資格を取ったとしてもその勉強がしっかり実践で生かせるかどうかは疑問です。
むしろ、大勢の中に紛れた途端、すっかり影が薄くなってどこにいるのかわからなくなってしまうような人や、どこにでもいそうな人で印象に残らず没個性であることが探偵業をするには向いていると言えます。
知識を習得することも大事ですが、それ以上に適性が求められるのが探偵だと考えると特に資格を必要としないのもわかる気がします。
法律により規制されている日本の探偵
身辺調査を依頼する人が増えたことに伴って、探偵が探っていることに気づいてトラブルになるケースも増えています。
探偵といっても能力はピンキリで、中にはバレてしまう人もいるからです。
そのため、日本では探偵に資格は必要ないとしたうえで、トラブル防止のために平成19年6月1日、探偵業の業務の適正化に関する法律を制定しました。
この法律は、略して探偵業法と呼ばれています。
日本で探偵業を行う場合は、開業する都道府県委員会に対して探偵業開業の届出が必須と決められたのです。
経験を積んでしっかりとした探偵業ができる人もいれば、生まれつき探偵に必要な能力が備わっている人もいて、こうした人達ならトラブルを起こすことなく調査ができるでしょう。
問題は、探偵になりたいと思えば誰でも探偵になれる日本の実情です。
現状では、探偵に必要な尾行のテクニックやトラブルに巻き込まれた時など、ある程度の能力や知識を習得することは探偵自身の身を守るためには必須と考えられることから、日本でも公的、民間を問わず、何らかの資格の取得が必要な時代になってきたと言えそうです。