探偵と警察
探偵業を行うには
今や日本でも身辺調査に素行調査、さらには浮気調査などさまざまな調査依頼が持ち込まれるようになりました。
その依頼先が探偵社で、調査をするのが探偵です。
とはいうものの、日本は欧米のように探偵と名乗るために必要な資格や技術の習得義務などは課されておらず、その気になれば誰でも探偵を名乗り、探偵業を始めることができます。
実際問題として、探偵社に依頼して調査をしてもらったけれど、探偵が対象者に気づかれて尾行をまかれてしまうといった、依頼者からすれば笑えない事態も数多いのが現実です。
探偵になるための訓練もスキルも必要ないとなれば、尾行が素人レベルで気づかれてしまうのも無理はありません。
とはいえ、探偵業を営むにあたっては警察への届け出が義務付けられています。
探偵業を行うにあたって警察への届け出が必要であると法律によって定められていますので、無届のまま探偵業を行っていると法律によって罰則が科されます。
探偵を名乗るのに問題はないとする一方で、依頼者から報酬を受け取る商売として探偵業を捉えている警察としては、商売の届け出が重要という認識でいると考えていいでしょう。
事務所を構えるなら確かに商売の一種となるため、開業届けを出すことが求められます。
きちんと届け出を出したら探偵事務所をオープン
きちんと警察に探偵事務所を開くことを届け出れば、晴れて堂々と探偵事務所を運営できます。
ここから先は、いかに腕の良い探偵を雇うか、あるいは事務所を開いた自分自身が探偵として動くという選択肢もあるでしょうが、とにかく商売として軌道に乗せないといけません。
探偵に特別な訓練スキルがない以上、もともと素質があるという人や、さまざまな文献を探し、海外で行われている訓練を採り入れるなどして探偵としての能力を磨いていくことになります。
探偵と警察のどちらも調査機関
探偵に依頼するのは何かを調べてほしいという調査ですが、こうした調査依頼をする先がほかにもあります。
ほかならぬ探偵業の届け出申請を義務付けている警察で、さまざまな事件の調査に日々取り組んでいるのです。
同じ調査をするという仕事をしているものの、探偵と警察ではまったく異なることは容易に想像がつきます。
ただし、探偵と警察の調査が具体的にどう違うのかをはっきりと説明できる人は少ないのではないでしょうか。
調査に乗り出すタイミングの違い
探偵と警察で最も異なるのは、調査の仕方の違いです。
警察には民事不介入という原則があり、まだ事件になっていない状態では調査に乗り出すことができません。
事件になって初めて、調査に乗り出すことができるのです。
とはいえ、何か異変を感じている人にとっては、事件になってからでは遅いというのが本音です。
事件になる前に何とかしてほしいと思っても、民事不介入の原則から警察が動くことはできません。
刑事事件になってようやく動けると法律によって定められている以上、仕方のないことですが放っておくわけにもいかないでしょう。
そんな民事の段階で調査をしてくれるのが探偵で、事件になる前に不穏な動きや、犯罪につながりそうな証拠を集めてくれます。
当然のことながら、警察は事件とはまったく関係のない浮気調査などはしてくれませんが、探偵なら浮気調査や身辺調査なども引き受けてくれます。
探偵と警察の調査で最も異なる点は、調査に乗り出すタイミングの違いを筆頭に、その内容の違いが要因となることも明らかです。
大まかにいえば刑事事件は警察の担当となり、事件解決が仕事ですが、探偵は民事専門です。
刑事事件につながりそうな証拠を集めるほか、警察がとりあわない浮気や不倫の調査などを手掛けることから、両者の調査はまったく異なることがわかります。