探偵の尾行は違法、犯罪なのか

尾行

探偵という職業に良いイメージを持ってくれている方がいらっしゃいますが、探偵である当社にとってそれは非常に嬉しいことです。

しかし、逆に「探偵なんて違法、尾行は犯罪だ」などと否定的な意見・考えを持つ方もいらっしゃいます。

もちろん否定的な意見を全く受け付けないわけではありませんが、ここでは実際に探偵や尾行は違法で犯罪なのか?について、法律の面から考慮して書いてみたいと思います。

探偵が違法であるかのポイント

探偵という職業と業務について説明するには、以下の3つの法律がポイントとなります。

①探偵業法

探偵には探偵業の業務を適正化する法律があり、これを通称「探偵業法」と言います。

この法律の中に探偵業の定義があり、「依頼人から依頼を受け、尾行・張り込み・聞き込み等を用いて調査を行い、その結果を依頼人に報告し、報酬を得る業務」との旨が明確に書かれているわけですね。

つまり、この法律では少なくとも「探偵の尾行は合法であり犯罪ではない」と解釈可能なことが明記されています。

但し、いくら尾行・張り込みが合法と言っても

(探偵業務の実施の原則)
第六条 探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。

つまり、違法な手段を使ったり、人の平穏を害するような尾行・張り込みをする権利までは探偵にはないということになります。

②ストーカー規制法

探偵の尾行や張り込みは「ストーカーのつきまといや待ち伏せと同じ」ではないのか、と指摘する方もいるかもしれません。

しかし、ストーカーに関する法律(ストーカー規制法)にはストーカー行為の定義が書かれており、

「相手に対する好意の感情またはそれが満たされないことによる怨恨の感情」によって行為を行うのがストーカー

である旨の記述がありますので、原則として感情ではなく業務上で尾行・張り込みをする探偵は該当しません。

但し、ストーカーからストーカー行為目的の依頼を受けて尾行・張り込みなどを実施した場合は「ストーカー行為の共犯」となり、同法違反の犯罪行為となってしまいます。

③迷惑行為防止条例

地方自治体にはそれぞれ「迷惑行為防止条例」というものがあり、他人に対するつきまといや待ち伏せ行為は迷惑行為防止条例違反となることがあります。

探偵の場合、特に経験・技術の足りない間は調査対象者に調査がバレやすく、尾行や張り込みが迷惑行為となってしまうこともなくはありません。

原則として条例より法律(探偵業法)が優先されますのでこの迷惑行為防止条例が探偵に適用される可能性は低いですが、迷惑行為が違反となる内容の条文が上述の探偵業法第6条に記載されています。

違法とは言えないが無条件の合法ではない

上記3つの法的根拠によれば、探偵や尾行というものは基本的に違法とも犯罪ともなりません。

但し、尾行に関しては「探偵が業務として行っている」という条件がつき、さらに人に不安や恐怖を与えるような尾行は違反となるため、無条件の合法ではありません。

尾行自体を違法とする法律も現在のところありませんが、探偵でない人が尾行や張り込みを行った場合、直ちに犯罪とはならずとも、もし相手にバレた場合に「仕事」という理由を用いることはできずに違法となってしまいます。